野村紘一さんが提案するバランスよい億ション

億ションを誕生させるにあたって、野村紘一さんがこだわったのはバランスでした。バランスよい物件を実現させることが、安定的な販売につながると考えました。モノを売るにあたって大切なのはコンセプトであり、ターゲットにマッチした物件を用意することが重要です。コンセプトが不明確だとブレてしまうので、買い手に気持ちが伝わりません。何を伝えたい商品なのか明確にしておくことが、安定的な繁栄につながるわけです。
当時はマンションより一戸建てのほうが価値が高いと考える人が大多数でした。当時はマンションといえばアパートと同様に簡易的な物件というイメージがあったのです。マイホームは一戸建てという認識があった時代ですから、これは当然のことかもしれません。そうした時代背景がある中で、野村紘一さんは億ションをあえてラインナップしました。欧米の住宅事情に追いつくには最適なタイミングだと感じたのでしょう。タイミングを逃してしまえば、億ションの誕生はまだまだ先になった可能性があります。
野村紘一さんが億ションを登場させる上でこだわったのは、周辺環境と外観との調和でした。風景に溶け込まない物件は違和感を覚えてしまい、街の外観を阻害するケースが考えられます。こうしたデメリットを払拭するためにも、街との全体像とバランスをよく考えたわけです。実際にベルテシリーズが誕生してから、その周辺地域が栄えていくケースは多々ありました。億ションがきっかけで街の外観が大きく変わる現実があるわけです。
野村紘一さんが目をつけたエリアは、他社も総じて狙ってきました。すると急激に同エリアが活性化し、人々が集まってくるわけです。すると一体エリアは経済的に余裕が生まれるため、さらに好景気の循環が生まれてきます。たった一棟のマンションがきっかけで、街が作られると考えてよいでしょう。野村紘一さんが誕生させたベルテシリーズは、現在でも高級マンションの代名詞となっています。