野村紘一さんの成功は周囲に惑わされなかったから

野村紘一さんの成功は周囲に惑わされなかったからと考えて良さそうです。というのは日本は長期のデフレ不況がありましたから、このような状況下で億ションのような超高級マンション事業というのは見通しとしては暗いものだったと考えて良いでしょう。勿論、これは野村紘一さんの考えではなく、一般的なところの考え方ではという事ですが、だからこそ他の人は誰もしなかったわけで、全く見通しがきかないときに、とんでもない金額の物件を造るというような事はリスク以外の何物でもないというように考えたのは当時としては無理もありません。実際にほとんどの事業者は超高級マンション事業から撤退したわけです。
これはある意味ではこの事業をしている人からすれば絶好の機会となる事は間違いないのですが、それを理解出来ていて、更に実行するということになると勇気が要ります。何しろ周りは全て撤退の合図をだして撤退しているわけですから、その中で逆行するというのはとんでもない勇気が要る事という事になります。ですが、これが出来た人がビジネスで成功するというのは昔からよくある事で、この周りが撤退していく姿を恐らくですが、野村紘一さんはほくそ笑んでいたというように考えてしまいます。
自分を信じる事が出来る人は他人の動向に全く左右されることがありません。それどころか競合相手がいなくなるわけですから、嬉しくて仕方が無いという事になります。確かに今の時期は需要そのものが減退しているので、多くの受注を獲得するという事は出来ないのですが、景気が好転すればそれらの隠れていた需要は全て事業を継続している野村紘一さんの元に来ることになります。そしてそれが今という事で正に同氏が考えていた時代になったという事が言えるのかもしれません。ですが、これはまぐれでも何でもなく同氏が昔から考えていたことで、それが現実になったというだけです。むしろ野村紘一さんからすると遅かったというぐらいの感覚なのかもしれません。