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野村紘一氏といえば、不動産総合商社アルテカの代表であり、1975年に開発した「ベルテ原宿」は日本国内で初の1億円を超すマンションであり、マスコミによって「億ション」の造語が生まれたくらい話題になりました。当時のマンションはアパートの延長線上に考えられていて、購入するなら一戸建てという意識が強い時代です。都内の3LDKの平均価格が1500万円で、そこに1億円を付けて売り出したのだから売れるわけがないと思われたのも当然かもしれません。
しかし現実的には反響がとても大きく、マスコミにも取り上げられて無事に完売しました。想像以上の宣伝効果があり、マンションも付加価値を備えることで価格が向上しても需要があると分かり、このスタイルは日本の狭い国土に向いていることから人気となっていきました。現代ではタワーマンションはステータスのひとつであり、高層階という魅力を持っています。こういった認識を作り出したのが野村紘一氏で、アイディアを考え就くことはできても、実際に社運をかけて行動に移すのは難しいです。そこに踏み出した勇気や着眼点は素晴らしいものがあり、これから生み出されるマンションにも期待が込められています。
現在アルテカが取り組んでいるのは安全性をより重視した住まいづくりで、東日本大震災の影響から、人々は震災をはじめ災害に備えるようになりました。備蓄するだけではなく、より堅固で安全度の高い住まいを求めるようになり、そういった需要を受けて取り組んでいます。
他にもエネルギーの供給問題など様々な点に注目をしていて、地域や環境と調和しつつ、暮らしやすさを考えたマンションが重要になると考えているのが特徴です。建物だけではなく土壌も気を付けており、地盤や水質などを徹底的に調査して安全な土地を探し、災害に耐える建築というのを基本としています。そしてそれだけではなく、従来の住環境の良さも取り入れて万全な住まいづくりに邁進しており、期待が高まっているわけです。