野村紘一さんが作った億ションという言葉

今となれば億ションという言葉を聞けば、1億円以上する高級マンションをすぐに思い浮かべられるぐらい、その意味は浸透しています。しかしこの言葉が作られた当時は、まだそのような1億円以上するマンションの存在はありませんでした。都内であっても相場は3000万円しないような価格相場だったこともある中で、不動産会社のアルテカの社長でもある野村紘一さんは1億円を超えるマンションを原宿に建てたのです。
この1億円を超える物件というのは破格とも言える値段設定でした。先ず売れないだろうと予想されていたのですが、その予想が裏切られる結果となり、原宿の億ションは即完売したというのはいまでも受け継がれている話の一つでもあります。やはり高額なマンションであっても、立地によっては購入する人のステータスとなる事、そして富裕層にとっては付加価値が有れば購入するメリットが大きいという事も言えるでしょう。野村紘一さんは、その富裕層を狙った高額マンションをどんどん建設していきました。
これから東京オリンピックに向けてさらに建設ラッシュが起きていますが、ホテルなどもオリンピックに参加する選手が使った後、一般の方向けにマンションとして売りに出されるという話もありますし、マンション業界も注目が集まっています。都心部でも高層マンションがどんどん増えており、その中でも付加価値が有るようなところは1億円以上といった事ではなく、もう数十億円すると言われているような物件も登場していると話題です。

野村紘一さんが目を付けたのは付加価値です。たとえばコンシェルジュを駐在させ、タクシーやクリーニングや宅配物の受け取りや受付や手配などをしてくれたり、マンションの共用施設としてジムを作ったり、ラウンジを作ったりといったことも上げられます。高くても購入した後の満足感やステータスが得られれば高額であっても売れるというのは野村紘一さんの教えでもあると言えます。